ぱいそんのかきなぐり帳

描いたり、書いたり。雑多な趣味をひとまとめにしたかった。

あけみと!②制作記

あけみと!②の制作記をしたためておくことにする。

理由としてはしんどかったからだ。あまりにも舐めたスケジュールで最後追い込みをかけざるをえなかった。これは2度と繰り返してはいけない。そういうことを毎回言っている。

いい加減反省しなさいということで記録して振り返られるようにするのだ。

 

これは実話であり、本人の記憶、本人の反省、本人のツイートを元に構成しています(メーデー!風)

 

  1. 制作の発端
  2. 制作の決断
  3. 制作開始
  4. 削られていくやる気
  5. スケジュールの逼迫
  6. 原稿全振り生活作戦
  7. 最後の1週間
  8. 完成

 

 

1.制作の発端

 

2014年8月にあけみと①という本を出しました。

これはPIXIVに再録してあります。読みたい方はこちらからどうぞ。

 

これが始まりでした。

まどマギTV版のよつばとパロ。暁美ほむらをよつばに、鹿目まどかをとーちゃんにして描きました。

結構な方に手に取っていただき、嬉しいことに感想も多々いただきました。

そして「②は?いつでるの?」とたくさん聞かれました。

 

でも実は当時、あけみと!②を描く気は全くありませんでした。

他に描きたいものもありましたし、パロばっかりやるのもどうなのかなといった気持ちもありました。

 

とはいえ、ペーパーであけみと!1.5とかをやったりはしてました。

 

あけみと①制作から1年くらいして、自分から「②を描きたい」ってツイートが現れ始めます。

 

とはいえこの頃は言ってるだけですね。

しかし求められて嬉しかったことは覚えています。感想もたくさんいただきましたし、色紙を描いていただいたり、中にはこんなものを作っていただくこともありました。

あけみと!シャドーボックスwww.pixiv.net

このシャドーボックスはすごかった……

完成したものをありがたいことにいただきましたので今もおうちに飾ってあります。

 

そういう感じで自分の中で「あけみと!」は大きな存在であり、②を描くぞー!という気持ちが日に日に強くなっていったのですが……

 

ここから5年、全く手をつけることはありませんでした。

 

 

2.制作の決断

 

2019年大晦日

 多分このツイートで重い腰を上げる決意をしました。

一時期、叛逆からの続編が一向に発表されず、わりと熱が冷め始めていたのですが、外伝として2017年にマギアレコードが発表され、一応登録するかーくらいの感じで登録してそこから1-2年は最低限しか触っていなかったものの、結局はハマっていくことになります。ゲーム マギレコについてもまた別にまとめたいなと思っているのでこれはまた別の記事で。

しばらくまどマギ系の同人イベントにも顔を出してなかったのですが、一般参加者としてちょろちょろ行くようにもなりました。

そうすれば次は「またサークル参加したい」となりますよね。で、何出そうかな?と思った結果がこれでした。

 

 

3.制作開始

 

いつも通りやりはじめはめちゃくちゃ遅い。お前はいつだってそうだ。誰もお前を愛さない。

 6/15、表紙ラフを描く。

振り返ってみるともうこの時点で「おろか」です。

イベントは8/8、もう二ヶ月を切っています。ちなみにこの時点では「出せたらいいや。叛逆をうっすらなぞって20pくらいの本でいいでしょ」なんて考えています。

 6/29、表紙が完成。だいたい表紙が完成したら、せっかく表紙ができたんだし中身頑張るかって気持ちになるんですね。しかし表紙ラフから半月が経過しているのは大変「おろか」です。

 

ちなみにこの時点で中身は何も決まっていませんでした。ふんわり描きたいネタはざっくりと頭の中にあるものの、ネームはゼロ。締め切りまでもうすぐ1ヶ月という時のことでした。

 

 

4.削られていくやる気

 

7月に入り、少々焦り始めます。

締め切りを調べたのもこの時期だったはず。締め切りは8/3でした。

 

さてその頃原稿は?

扉ページができていました。1ページだけ。馬鹿か!

その後もらくがきとかもしながらマイペースで制作。

 7/11最終話を描いている(ネームが一番最初にできた)

 7/16冒頭を描いている

 7/18エピローグを描いている

 

……あれ?締め切りまで半月を切りましたね。

 

言い訳をさせていただきたい。やる気がどんどん削られていっていたんです。

長雨もありました。一月くらいずっと雨でしたよね。ほんとやる気も出ないわ体調も悪くなるわで大変でした。なんか低気圧の日があまりに続くと頭が痛くなるんですよね。なんなんでしょう?

この頃、どんどんCOVID-19の感染者が増えていき、報道も連日その内容、ツイッターでもその議論や発言を多く見ました。また、各種イベントの中止や延期も当たり前のように連日流れてきており、同人イベントについても例外ではありませんでした。

コミティアコミケをはじめ、多くのイベントが開催されませんでしたし、冬コミもないことが発表されるなど、「これは……出すイベントも中止になってしまうのでは?」という考えがどうしても頭から離れてくれません。

そうなるとやっぱり筆が進まないんですね。描いて、本を作って、イベントがなかった。となる可能性があるって思うとやる気は減っていきます。まぁ私は描けたら楽しい方なんですが、もちろん人に読んでもらいたい欲もありますし、隠さずに言えば承認欲求だってあるんです。何より目標がないと何事もできない人間なのでその目標がぐらついていたらどうしても歩みは遅くなるんですね……

しかし参加イベントのアカウントさんはそんな中でもしっかりと対策を講じた上でイベントを開催する方向です!と広報されていました。

なら、頑張るしかないですね。しかし……

 

 

5.スケジュールの逼迫

 

7/19日曜日の夜、「これは今までで一番まずい状況だな」と気付きます。

気付くのが遅い。おろか。

 

締め切りは8/3、明日は7/20。もう2週間しかありません。

できているor作業中ページは前半5ページ+後半10ページほど。

(作業中っていってもこんな感じで完成度が低い↓)

他のページは描きたいネタの箇条書きのみ。

 

そう、この時点でページ数すら決まっておらず、真ん中のページはネームすらなく、そして表紙裏表紙もデータ化していません。おわりです。

 

正直にいいますとこの時点で一度諦めようかとは思いました。

しかし諦めたらイベントに参加できないのです。いや正確にはできるんですが、個人的にはしたくない状況になってしまいます。

そう、うちには既刊がありません。厳密にはあるんですが最新で2016年冬コミの本になります。あまりに古すぎる……

そしてTwitterで進捗上げまくってしまっている……(これは進捗アップしないと死ぬ病気なのでしかたないところはある。実際進捗上げずに作業と進捗上げて作業ではスピードが格段に異なります。何それ)

なによりひっっっっっさしぶりのまどマギ同人誌を完成させたい……

 

ここでやっとざっくりしたスケジュールをたてます。

まずは7/20の週でネームを全て完成させる。

そして7/23-26の4連休で最低下書きを全て入れる。

7/27-8/1で本文を全て仕上げる。

8/2データ編集、8/3入稿。

 

いや無理でしょ。でもやるしかないね。ハイ。

 

 

6.原稿全振り生活

 

この2週間のことはちょっとしばらく思い出したくありません。

割ときつかった。

 

原稿作業はもちろんなんですがまず、日常生活を見直します。

python-tako.hatenablog.com

まぁスケジュールがまずいなってことは1ヶ月切った頃から思っていたので、7月の2週目あたりから上記の制限をかけていました。

簡単にいうとツイ減。00分と30分にしか呟かない。呟く時は予約ツイートにする。という方法です。

格段にツイッターを見る時間が減り、原稿は捗りました。多分これしてなかったら原稿は完成しなかったでしょう。

 

 

さて、さっき挙げた予定は端的にいいますと全然達成できませんでした。

ネームどころかやっと4連休初日夕方に、先週から作業中だった冒頭の仕上げが完成。

ネームが追加1話分できたがそこでネームの筆が止まったので作業しながら考えることに。

バスのとこの話ですね。

作業が進んだ感を出すために挿絵ページから仕上げていくという誤魔化しを敢行したり。

文字入れしてねーじゃん!とできているページに慌てて文字を入れたり。

 

誤魔化しを続けていましたがネームからそろそろ逃げれなくなったなと思ったのが4連休3日目の25日。

この日、集中してネームを全部仕上げます。

仕上げて驚きます。

 

「本文56ページ……表紙込みで60ページ……」

 

さて、この時点で完成していたのは表紙裏表紙と本文18ページ、併せて22ページのみでした。

 

 

7.最後の1週間

 

一番ハードな1週間が幕を開けました。

4連休最終日にネームからコマ割と吹き出しだけはつけておきました。

そしてざっくりとした下描きも一応完了させています。

 

しかし、ちょうど平日分の5話分(1話平均6ページ)が全くペン入れされていない状況。

そして入稿までは1週間です。

 

朝、5時半頃起きて朝ごはん。6時作業開始。早朝作業ではある程度のしっかりした下描きと背景のアタリをとっておきます。意外かもしれないですが元気な時にしかできないんですよ、0から1を描くっていう行為は。

9時頃会社へ向かうため作業終了。

 

会社着。お仕事。

お昼休み等になんとかキャラ線画だけ終わらせておく。

 

終業後、家に帰らないことにしました。

空いているカフェに入りそこで背景作画と仕上げ。ここで線画を全て終わらせてからじゃないと帰らないという縛りにしました。1箇所だと時間がかかりすぎるので2-3店舗ハシゴしましたね。この週のコーヒー代や飲食費はやばかったことでしょう。

 

そして帰宅してトーン仕上げ。終わるまで寝ません。

 

そう、つまりこの平日5日で毎日1話6ページずつ、5話を仕上げます。

無謀、おろか。

 

でも意外とうまくいきました。

 

初日(7/27)↓

 7/28↓

 7/29↓

 7/30↓

 7/31↓

 

当然、日が変わるまでにってのは無理でしたが、5日で5話を達成したのです。

これで残りは文字入れ・データ化、そして一部残っていた扉絵と挿絵の仕上げのみとなり、ついに最後の土日突入しました。

 

 

8.完成

 

土曜日、正確には日曜日の未明、作画作業が終了。

最後のページはここの扉絵でした。

少し眠った後、文字入れとデータ化作業。そして……

 8/2 16時、入稿が完了しました。

 

締め切りは翌日の8/3 17時なんで24時間以上早いんですが、まぁ翌日はお仕事ですしさすがに前日に入稿はしておきたかったのはありました。

そう、あとこの日の夜21時からクトゥルフ通話の集まりがあったので……ね。楽しみでしたので……ね。

 

 

 

 

 

 

 

はい、そんな感じでございましたあけみと②制作記。

完全に追い込まれてしまったのは自業自得なんですが、こういうスケジュールだったということをわかっていただけるとあけみと②を読んだときのドン引き度も上がることでしょう。

 

今回、かなり無理をしたように書いてしまいましたが実際はそんなに目立った無理はしていません。

お仕事が落ち着いていたということが一番大きかったとは思いますが、実は徹夜は一度もしていませんし、エナジードリンクも一本も飲んでいません。まぁ強いて言えば最終日が午前4:30まで起きていたりしたので徹夜判定受けそうですが、少なくともずっと起きていた日はゼロでした。

なんというか自分の時間を全部作画にぶちこんだら意外とできちゃったという感じですね。

 

そう、今回身に染みてわかったことがあります。

「週刊漫画作家は化物」だということ。

最後の1週間みたいなことをずっと続けてるわけですよ。いやまぁ会社に行く必要がなかったり、アシスタントさんやら編集さんがいるにしてもですよ。あれを続けるのは絶対に無理です。

あらためて化物だなぁ……すごいですよ。

 

 

 

さて、第一弾の通販は在庫切れをしてしまいましたが、来週には追納しますのでまた再開される予定です。

ひぃひぃ言いながら描いた同人誌、よかったら下記からよろしくお願いします。

www.melonbooks.co.jp

 

サンプルについてはPIXIVにアップしているのでこちらから↓

あけみと②サンプルwww.pixiv.net

 

 

また懲りずに本を描いていこうと思いますのでよろしくお願いします。

願わくは、余裕のある進行たらんことを……

 

 

ではまた!